緑内障の原因と治療・手術

緑内障とは?

緑内障は、何らかの原因で視神経が傷み、視野(見える範囲)が狭くなる病気で、 眼圧の上昇がその原因の一つといわれています。

目の中の水の流れ(房水と眼圧)

目の中には血液のかわりとなって栄養を運ぶ、房水とよばれる液体が流れています。
房水は毛様体で作られ、シュレム管から排出されます。目の形状は、この房水の圧力によって保たれていて、これを眼圧とよびます。眼圧は時間や季節によって多少変動しますが、ほぼ一定の値を保っています。

緑内障の種類

緑内障にはいくつかの種類があります。眼圧が高くなる原因によって主に原発緑内障、小児緑内障、続発緑内障に分けられ、原発緑内障はさらに開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障に分けられます。

「原発開放隅角緑内障」
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。
ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。

「正常眼圧緑内障」
眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。
このような方を正常眼圧緑内障とよび、開放隅角緑内障に分類されます。
日本人に一番おおいタイプの緑内障です。

「原発閉塞隅角緑内障」
隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ、眼圧が上昇します。
慢性型と急性型があります。

「小児緑内障」
生まれつきの隅角発育異常や他の疾患・要因により子供の時に眼圧が上がる緑内障です。

「続発緑内障」
ケガや角膜の病気、網膜剥離、目の炎症など、他の目の病気による眼圧上昇やステロイド剤などの薬物による眼圧上昇によっておこる緑内障です。

緑内障の症状について

一般的に緑内障では、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに病気が進んでいることが多くあります。視神経の障害はゆっくりとおこり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。
急性の緑内障では急激に眼圧が上昇し目の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状をおこします。時間が経つほど治りにくくなるので、このような急性閉塞隅角緑内障の発作がおきた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。

緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査などで診断されます。定期検診なおっでいずれかの検査に異常があった場合、必ずもう一度眼科医の診察を受けるようにしましょう。

眼圧検査:直接、目の表面に測定器具をあてて測定する方法と目の表面に空気を当てて、測定する方法があります。緑内障管理のための重要な検査です。

眼底検査:視神経の状態をみるため、視神経乳頭部を観察します。
視神経が障害されている場合、へこみの形が正常に比べて変形し大きくなります。
緑内障発見のため必須の検査です。

視野検査:視野の欠損(見えない範囲)の存在の有無や大きさから緑内障の進行の具合を判定します。

緑内障の治療

緑内障の治療は病気の進行を食い止めるため、眼圧を低く、コントロールすることが最も有効とされています。治療法としては薬物療法(目薬)、レーザー治療や手術が一般的です。
レーザー治療や手術を受け、眼圧が下降しても、その効果が維持されるとは限らず、再度手術を行う場合もあります。

「薬物療法」
眼圧を下げるために使われる薬は、点眼薬となります。最初は1種類を使い、その効果をみながら、種類を変えたり、本数を増やしたりして眼圧の下がりを確認します。目薬だけで効果が不十分な場合は内服の薬を使うこともあります。
急性の緑内障の場合には、薬で眼圧が下がらない場合、レーザー治療や手術を行います。

「レーザー治療」
レーザーを虹彩にあてて穴を開けたり、線維柱帯にあてて房水の流出をうながします。
比較的安全な治療です。

「手術」
房水の流れを妨げている部分を切開し、流れる道を作って通りをよくする方法や房水をつくることを押さえる方法などがあります。

ご挨拶

はじめまして、院長の稲﨑紘です。
大学卒業後、生まれ育った横浜に戻り、横浜市立大学にて初期研修を経て、横浜市立大学眼科に入局致しました。以来、横浜市立大学附属病院ならびに附属市民総合医療センターにて眼科診療に従事してまいりました。

一般的な眼科疾患はもちろんのこと、白内障手術をはじめ、緑内障を専門とした手術・治療にも力を注ぎ、栄共済病院や保土ヶ谷中央病院など関連病院にて、白内障・緑内障手術を担当し、後輩の指導にもあたってまいりました。

こういった経験を生かし、より多くの方に身近に治療ができる環境で行いたく開院させていただきます。

  • 日本眼科学会認定眼科専門医・医学博士
  • 身体障害者15条指定医、難病指定医
  • 日本眼科学会、日本緑内障学会、日本網膜硝子体学会会員
  • 東京医科大学卒業 横浜市立大学大学院医学研究科修了
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